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ある小さなタクシー会社

長野県に中央タクシーという小さなタクシー会社があります。
売上は長野県でいつもトップだそうです。
駅前のタクシー乗り場では中央タクシーの姿を見ることは出来ません。
中央タクシーは無線配車率が9割。
つまり、必ず予約をしないと乗れないほど人気のタクシー会社なのです。

そんな長野県で人気ナンバーワンのタクシー会社ですが、一度だけ7位にまで売上が落ちた年があります。
それは長野オリンピックの年でした。
他のタクシー会社が他県からの客（マスコミなども）を取り込むなか、中央タクシーは他県の客の予約を全て断ったのです。
ものすごい売り上げが見込める仕事です。しかし断ったのです。

なぜなら、
「普段使っていただいている地元のお客様が使えなくなるから」
です。

長野オリンピックの期間、いつもは他のタクシー会社を利用していた地元のお客様にとっても唯一の足になり、大変感謝されたそうです。
結果として長野オリンピックの後、他のタクシー会社が売上を落とす中、以前よりもより多くのお客様に支持されるようになったそうです。

飲食店がテレビ取材を受け、
オンエアーの後行列ができ常連が入れなくなり、
その熱が冷めた頃常連が減って売上が落ちたなんてことも、よく聞きますよね。

目先の利益にとらわれてはいけないという教訓。